3月末で前職での勤務は終了し、4月からはいよいよ新しく立ち上げたALBAでの仕事が本格的に開始した。以前勤めていた地域が駅から離れたところにあったこともあり、朝の出勤が真逆の駅前になったのは新鮮だ。ずっと暮らしてきた街ではあるが、新しい発見をすることも多い。朝の禅林寺通りは人もそう多くはないが、駅に向かって歩く人々はみんな早足だ。雨の日はバスで駅まで出て、駅前のコーヒーショップで時間を潰したりする。ずっと余裕のない朝を送ってきた身としては、そんなちょっとした時間も最初はくすぐったい感じがした。とは言っても怠惰な生活になったりしないよう、事前に幾つかのルールを自分に課しておいた。「朝は必ず最低1時間はジョギングをする。」「平日は9時から17時まで必ず働く。」「食べ過ぎず、常に腹八分目にする。」といった感じだ。
以前と違い、税理士さんや社労士さんはもういないから、全てを自分たちでやらなければならない。そういった税務や労務をはじめ、新しく開始する事業の準備を並行する。三鷹市や東京都との打ち合わせをしながら、活動していくための物件も探す。その合間でホームページや会社パンフレットを作ったりもする。そのほとんどが自前での作業であって、外注はしない。予算的な面ももちろんあるけれど、ひとつひとつ丁寧に手作りしていきたいという僕らの一致した想いだ。そういう意味では仕事にキリはなく、意外に忙しい日々だ。
天気の良い日は自転車に乗って物件探しがメインになる。季節はまだ春とはいえ、おかげでだいぶ日焼けもした。公園で少し休憩とベンチに座っていたりすると、金城一紀の「フライ,ダディ,フライ」を思い出したりする。映画では堤真一が上手に演じていた。金城一紀といえば、ゾンビーズシリーズに出てくるパク・スンシンが好きだ。人に媚びない生き方をしたい。
事務所で仕事をしている時はラジオを流している。前職で流していた同じ番組。基本的にはDJのトークがなく、洋楽と邦楽が交互に流れ、曲の年代も様々なところが良い。ふとした瞬間、前職で日々を共に過ごした人達のことを思い出す。きっと今頃同じ音楽を聴きながら仕事をしているだろうなと。元気だろうか。元気でいてくれたら良い。
小さな頃から僕は変わっていない。いつもいつだってワクワクすることを考えている。笑えること、笑い合えることを探している。それが正しいと頑なに信じ、それに従って生きている。笑えない生き方をしてまでしがみつく価値あるものも存在しない。
出勤時に通る公園。朝の時間には人の姿もほとんどない。寂しそうに人を待つブランコに乗る。ブランコを漕ぐたびに履いたビーチサンダルが不安定さを失って、なんだか可笑しかった。子供の頃にやったように、足を振り上げてビーチサンダルを飛ばすイメージが頭に浮かぶ。高く遠くに飛ばせそうだったけど、止めておいた。
ブランコから見上げる雲一つない青空は、無限に広がるキャンバスみたいだ。さぁ、どんな絵を描こうか。イメージは十分だ。

