繋がる笑顔

繋がる笑顔

利用者さんの生活にとって「食」はとても大切なもの。それは僕の中にある確かな想いで、Abbey Roadの事業に昼食サービスを組み込まないという決断に至るまでは随分と悩んだ。それでも最終的にその決断をした理由としては、全てにおいて効率にこだわった事業を行うという信念から。昼食サービスを行うことに付随するもの、例えば厨房スペースやマンパワーといったものを他の必要性に充当することで、作業スペースの確保や工賃向上などに繋げていきたかった。それが最終的には利用者さんにとって有益な結果になると信じて。

「買い物に行こうー」「行って来ますー」「ただいまー」「おかえりなさーい」お昼になるとAbbey Roadの室内にはそんな声が響き渡る。職員、利用者さんが一緒になって近くのスーパーやコンビニに買い物に行き、一緒になって食事をする。何を買って来たか見せ合ったり、デザートを分け合って食べたり。笑顔が弾け、笑い声に溢れる。それはまた「食」というものについて僕にひとつの答えをもたらす。何を食べるかが大切なことには間違いないが、「どこで、誰と、どう食べるか」も極めて大切なことなんだと。

「スタッフルームは無いんですか?」
事業説明会の際、数名の関係機関の方から質問を受けて驚いた。スタッフルームを作るイメージ、僕の頭の中には全く無かったから。利用者さんがいる時間、僕ら職員はずっと利用者さんと同じ空間にいる。作業はもちろん、昼食の買い出し、食事も一緒。作業後には一緒にUNOで遊んだり、可能な限り利用者さんと一緒にいる。そうありたいから。そこから全ては始まると信じているから。
「ねぇねぇ、なんかさ、もうひとつの家族みたいだね。」
とある利用者さんが昼食時、僕に話しかける。
胸に込み上げるものがあって、目を合わせて笑って頷くのが精一杯だった。
見渡すと、やっぱり多くの笑顔が溢れている。

利用者さんと共に歩く。
そういう仕事、そういう事業がしたくて、長く勤めた会社を辞めた。
利用者さんと一緒に歩む中で得られる気付き。
それをまた事業に落とし込みながら笑顔を増やしていく。そんなことがしたかった。
そして、またやはり思う。
僕らの事業が正しい方向で行われているかどうか、それを確認する方法もまた笑顔の数だと。
そんな僕もまた毎日、いっぱい笑いながら過ごしてる。

by ISTP