僕は耳かきを集めるのが趣味で、どこそこのドラックストアなどに行くと必ず耳かきのコーナーをチェックするし、旅先のお土産屋さんなどでもついつい耳かきを見ると立ち止まってしまう。
僕が耳かきに求めるものはその実用性にある。飾りなどは全く興味がなく、よく取れるかという一点だけなのである。だから木製だろうと金属製だろうと関係はないし、頭にマスコットキャラクターがついていてもついていなくても構わない。よく取れれば良いのだ。
耳かきの難点としては、お試しが出来ないことにある。僕が年々おばさん化して図々しくなっていても、「あのー、この商品、試してみても良いですか?」などと当然聞くことは出来ない。だから正確には耳かきを収集している訳ではなく、必然と集まっていくのだ。
僕の理想とする耳かきは、かつて父親が作った耳かき。父親は板金の会社に勤めていて、鉄製の耳かきを会社で自作してきたのだ。これがとにかくよく取れる。だから何十年にも渡り、僕たち家族はその耳かきひとつを大切に扱い暮らしてきた。
父親がこの世を去り、なぜか時を同じくして耳かきがなくなった。僕は父親が天国へ持って行ったのだと信じ、今なお理想の耳かきを探す日々を続けている。それはまた僕の中に家族の風景を思い出させる時でもある。
by ISTP

