構造を見る

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高校生時代。サッカーにのめり込み、優秀なクラスメート達に瞬く間に成績で差をつけられ、途方に暮れた僕は読書に救いを求めた。周囲より勝っているものをひとつでも持つ必要を何となく感じたし、それには読書くらいしか思いつかなかったことがその理由。
それまではほとんどマンガしか読んで来なかったけれど、瞬く間に読書の面白さに気づいた僕は授業中でさえ隠れて本を読むようになった。最初は注意していた先生達もそのうち諦めるようになり、読書量は一気に加速した。数学の先生に至っては「今は何の本を読んでいるの?」「この本が面白いよ。」などと言ってくれるくらいで、当時の先生達の寛容さには今でも本当に感謝している。
僕を形成したのは人と本との出会いだと思っている。たいていは一度読んだら読み返すことはないけれど、気に入った本は何度も読み返す傾向にあって、以下の本は何かしら僕の血になっていると言っても過言ではないくらい読み返した本の一部です。

・「三国志」吉川英治
・「ダンス ダンス ダンス」村上春樹
・「コインロッカーベイビーズ」村上龍
・「真剣師 小池重明」団鬼六
・「鎮魂歌」馳星周
・「ノルウェイの森」村上春樹
・「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎
・「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー
・「Go」金城一紀
・「掏摸」中村文則
・「ミレニアム」スティーグ・ラーソン

社会福祉法人に勤めていた時も、起業した現在も、または精神保健福祉という分野に長く身を置くことになった人生を振り返っても、読書で得たものが様々な場面でヒントになった。あえて読書、特に再読の効果をひとつ書くならば、それは「物事の構造を理解する」ことに役立つということ。
福祉業界の運営を例に挙げると、経営がうまくいかない、収益が上がらない、人が定着しない、工賃が上がらないなどといった問題は、その構造を理解していない人がタクトを振るっているケースが実に多い。医者だろうが、サッカー選手だろうが、料理人だろうが、構造を理解してない人が成功することはないと思っていて、福祉の世界に散見される大きな問題点だと感じている。構造を理解して、初めてやるべきことが見えて来る。加えて福祉の世界における問題点は、責任を転嫁させやすい構造になっている点もあるし、仮に構造を理解したって実行力がなければ机上の空論に終始する。熱量が維持出来なければ一過性の成果に留まる。理解出来ないだけでなく、虚構を築いているなんてならないよう気をつけなきゃならない。

おっと、熱くなっちゃった。これくらいでやめておこう。最近読んだ本では「木挽町のあだ討ち」が素晴らしかった。最終章を除いては完璧とも言える内容でした。読書の秋、読む本に迷っている方にはオススメです。

by ISTP

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